「わたしが作った離乳食を食べてくれない。料理が下手だからでしょうか?」
というご質問を受けることがあります。
「料理が苦手という気持ち」と「子どもが離乳食を食べないという事象」が、
ご自分の中で原因と結果になってしまうんですね。
この質問を初めて受けたとき、たしかに離乳食は調理するけど料理って言えるようなものかなあ・・と思った覚えがあります。
そこで手元にあった国語辞典で “料理“ を調べてみました。
【料理】
食物として口に合うように材料を調(ととの)え加工すること。また、調理した食べ物。
・・・とありました。離乳食は「料理」でしたね。オハズカシ
「作り方が悪いんでしょうか?」ではなく、
「料理が下手だからでしょうか?」と言われるとなんだか切ない。
「そんなに心配しなくていいよー」と言いたくなってしまいます。
そ・ん・な・に・心配しなくていいよー
「料理が上手」っていろんなものが含まれています。
・味が良い
・適切な固さ軟らかさ、滑らかさになっている
・材料の取り合わせが絶妙
・食べやすい大きさや形
・適温
・盛り付けが美しい
・料理が引き立つ食器を使っている
・さまざまな調理法を知っている
・たくさんの料理を知っている
・調理の手際がいい・・・etc.
たしかにベビーフード売り場にズラーっと並んだ
美味しそうな写真のレトルトパックを見たら、
あんな風に作らないといけないと思ってしまうかも知れませんね。
では、「料理上手」な人がやっていることで、離乳食に本当に必要なものは何だろう?と
改めて考えてみました。
それは・・・
「この食材がこうなるには、どう調理すればいいか」が想像できて、
想像通りに調理できる。
ということ。これ一択です。
そして大事なことがもう一つ
それは・・・・
「こどもの食べる力に合っている」
ということ。
以前、保育所給食に携わっていたとき、調理員さんから
「茹でたブロッコリーは、0,1,2歳は食べないから出さないで」
と言われたことがありました。
よくよく話を聞いてみたら、
「小さい子たちは食べられずに残食になる」とのこと。
で、「これ以上茹でたら崩れてしまう、そのちょっと手前まで茹でてみて」
とお願したら、完食!
出したブロッコリーが0,1,2歳の子供たちの
食べる力に合っていなかったのでした。
プロの調理員さんだって、こういうことある。
ビギナーママさんたち、うまくできなくても
それ、デフォルト、つまり、ふつーです。
料理は一朝一夕で上手にはなりません。
料理上手は料理を作った回数が多い人
興味を持って、何度も試してきた人
たくさん試行錯誤した人・・・です。
「食べなかったらどうしよう」という
心配なココロ
焦るココロ
へこんじゃうココロ
・・・は、ちょっと脇に置いて
興味を持ってやってみましょ。
こうしたらどうかな?
これでどーだ! と。
で、食べなかったら・・・
「あら、いらないの?おいしいのに。ママ、たべちゃうよー」ぱくっ!
これくらいでいい。
ママが気楽に構えると、赤ちゃんも気楽です。
数えきれないほど離乳食の相談を受けたけど
離乳食の失敗で、食事を食べることができなくなった、という事例に会ったことはありません。
ドロドロの離乳食、たくさん作って冷凍したのに食べない・・・そんなときは、
カレーやシチューに入れ下さい。
野菜のおいしいダシと濃度がでて、カレールウを減らしてもおいしいカレーができますよ。